東京・新宿の歌舞伎町で、客が高額な飲食料金を請求される「ぼったくり」の被害が急増している。「民事不介入」は警察の対応の原則だが、あまりのトラブル多発に、警視庁は今月から客を保護して店側との接触を絶ち、都のぼったくり防止条例違反などでの事件化を基本に対応する方針に転換した。しかし、対応次第では「過度の民事介入になりかねない」との声もある。 (皆川剛) 歌舞伎町交番前ではこれまで、高額請求された客と店員との言い争いが連夜のように繰り返され、警察官が収拾をつけられない状態が続いていた。根負けした客が近くのコンビニで数十万円を引き出して支払うことも多かったが、様相は一変。方針転換直後の今月二日夜、交番前では、客を新宿署に移して詳しい事情を聴こうとする警察官と、これに反発する店員らとの間で、怒声が飛び交った。