悪質手配師が“搾取”も 被災地復興にホームレス就労拡大 増える被災地での復旧事業が、路上生活者の暮らしにも少なからず影響を与えている=7月中旬 東日本大震災後、被災地で路上生活者を作業員として雇う動きが広がっている。貴重な収入を得るケースもあれば、劣悪な条件に逃げ出す人もいる。支援団体は「『手配師』と呼ばれる派遣業者には悪質な業者もいる。長くできる仕事を見つけてほしい」と呼び掛けている。 「飛び込みで働けるよ」。2月に路上生活を始めた男性(23)は、JR仙台駅で寝泊まりするようになってすぐ、見知らぬ男に声を掛けられた。手元に小銭にしかなく、ためらいつつも男に付いていった。 連れていかれたのは解体業者。契約を結ぶと、使う作業道具などの名目で13万円を請求され、いきなり借金を抱えた。 日当5300円。そこから食費と宿賃が引かれる。給与の支払いは辞める際の一括払い。寄宿舎で朝と夜に食事が出