東日本大震災で福島第一原子力発電所が被災し、東京電力の電力供給エリアでは電力供給不足となった。震災からしばらくの間、計画停電が実施され、鉄道会社は列車の運休や本数削減で対応した。そんな中、JR東日本は鉄道部門で節電を徹底する一方で、東京電力へ1時間に21万kWhの余剰電力を供給していた。これは一般家庭約50万4,000世帯分の消費量に相当するという。 JR東日本川崎火力発電所 JR東日本は新潟県十日町市と小千谷市にまたがる信濃川発電所と、神奈川県川崎市に川崎発電所を所有している。どちらも国鉄時代に作られた発電所で、急速に電化が進む首都圏の鉄道に対して、安定的な電力を供給するために作られた。鉄道の電化は、当時の東京電力の需要と供給のバランスを崩すと考えられていたようだ。 節電効果と発電所のフル稼働で余剰電力が JR東日本の発表資料によると、地震発生前の3月10日18:00〜19:00において