彼は純粋な技術屋といった感じで、 愚痴もまじっていたせいだろうか、何を言ってるかわからない部分もあったが、 いろいろと興味深い話を聞くことができた。 「結局、装置があれば韓国でも中国でもどこでも作れるようになって、値段のたたきあいになっちゃたんだろ」 という私に対して、彼は言った。 「体力勝負で負けたのは否定しない。だけどな、装置があれば誰でも作れるというのは大間違い」 「最大の要因は、やつらの技術力が高かったことだと思う。というかうちの規模の会社が研究開発で対抗できてたのがある意味奇跡。」 メモリは『装置があれば作れる汎用品』なわけではない。ということを彼は熱弁していた。 回路ひとつをとってみても、『アナログ』技術の塊で、 記憶素子のわずかな物理量(数10フェムトとか言ってた)の変化を 増幅する高精度なアンプだとか、 秒速数ギガビットの信号を処理するためにピコ秒単位で 信号のタイミングを
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