ジーン・クレールの「The Way We See The World」では、伝統文化からポップカルチャー、カウンターカルチャーにまでまつわる、この世界を彩り、形づくったモノ・コト・ヒトを紹介し、僕らの世界の見方を紐解く。9回目となる今回は、イタリア・フィレンツェのネクタイ専門店、タイ ユア タイ フローレンスのオーナーである加賀健二さんに話を訊いた。 メンズファッションにおけるパイオニアアイコン、ヒーロー、レジェンドといった肩書をよく聞く。しかし多くの場合、それらの言葉は意味を失っているか、もしくは誤用されている。そんななかタイ ユア タイ フローレンスのオーナーであり、セブンフォールド社代表の加賀健二さんを形容する言葉として、これらの肩書を用いるのは至極真っ当なことだと思う。なぜなら私にとって、彼はメンズファッションにおける真のパイオニアであるからだ。加賀さんと出会って20年近く経つが、