中小企業や小規模事業者の経営承継が社会問題になっている。IT業界や家電業界でも、カメラレンズなどの重要なパーツ製造を担う中小企業の経営者が高齢化し、事業が引き継がれずに廃業したりすれば、サプライチェーンの崩壊につながる可能性もある。関係者はM&Aによる承継を促すが、なかなか進まない現状に警鐘を鳴らす。 ●650万人の雇用が失われる 中小企業庁のデータによると、2025年に中小企業・小規模事業者の経営者の64%に当たる約245万人が70歳以上になり、70歳未満の約136万人を大きく上回る。中小企業の経営者の高齢化は待ったなしの状況だ。しかも、245万人のうち52%の127万人、日本企業全体の3分の1が後継者が決まっていないというのだ。 この現状を放置すると、中小企業の廃業が急増し、10年間の累計で約650万人の雇用が失われ、約22兆円のGDPの損失につながる可能性があるという。 中小企業のM