報道されない日がないくらい、マスメディアは連日、飲食業界の様子を伝えていた。 新型コロナウイルスの直撃がとりわけ厳しかった食の世界。 マーケットは制限や分断だらけとなった。 しかし、制約は創造の母でもある。新しい気運や萌芽が生まれつつあることも見逃せない。 本サイトでの新型コロナウイルス感染拡大の影響を追う取材は、4月3日、大阪の三ツ星レストラン「HAJIME」米田肇シェフのインタビューから始まった。 米田シェフは有志と共に「政府、自治体に求める飲食店倒産防止対策」の署名を開始。営業自粛に伴う売上減少や休業下でも発生する固定費や雇用者給与への補助を求める活動に身を投じていた。海外で報じられる給与補償や家賃補償といった具体的な政策に対し、日本では当時、自粛要請はされるものの補償は提示されていなかった。原価を高く利を薄く営む中でクオリティを維持する日本の飲食店にとって、補償なき自粛は倒産の危機