満を持して立ち上げた、エミコ マツダ。「どのような靴ですか」という質問に対し、松田さんは次のように答えました。「よく聞かれるんですけれど、わたしの靴にハウスデザインのようなものはないんです。ウエストエンドのものづくりの継承。それがエミコ マツダです」―― 意味のあるデザイン このスリップオンはブローグドカジュアルといいます。ピール&コーのビスポークサンプルにあったモデルで、サイドライニングがないこと、シャンクを入れないこと、サイドのスクエア・ウエストがその特徴です。 シューレースのないスリップオンは構造上、フィッティングがとても難しい。返りの良さを担保するために屈曲部分のライニングとシャンクを排している、というわけです。スクエア・ウエストも同じ考え方に基づいています。 日本では平コバともいうスクエア・ウエストは文字どおりフラットで、角を残した仕上げをいいます。もっともシンプルな構造ですから