元祖ハッカー、竹内郁雄先生による書き下ろし連載の第30回。今回のお題は「大画面による情報共有」。 ハッカーは、今際の際(いまわのきわ)に何を思うのか──。ハッカーが、ハッカー人生を振り返って思うことは、これからハッカーに少しでも近づこうとする人にとって、貴重な「道しるべ」になるはずです(これまでの連載一覧)。 文:竹内 郁雄 カバー写真: Goto Aki 前回(第29回)、私が地震防災、というより地震発生後の被災を減らす減災のプロジェクトに関わっていたと書いた。今回の熊本地震ほど、強い余震で大勢の人々を不安に陥れた地震は珍しい。実際、同じ地域で3日間に震度7が連続したことは観測史上なかったとのこと(※1)。早期の収拾と現地の復旧・復興を心から祈る。 私が地震減災研究プロジェクトに関わっていたころ、講演でよくこんな話をした。情報でお腹はふくれないし、怪我も治らない。しかし、情報の欠如は被害