これはごく個人的な実際の話で、よくよく考えてみれば当たり前の話なのだが、密かに衝撃的なことだったので、簡単に記しておく。つまらない話である。 うちの実家は自営業だ(詳細は省く)。俺が上京する18までは専業だったし、それからしばらくして父親が別の職をやることになってからは、人を雇って自営業を維持してきた。専業でなくなってからは規模を縮小し、人を雇ったのもほとんど慈善事業みたいな感じになっていて、収支はトントンくらいになっていた。ここらへんで長男の俺は一度家を継がないか?と打診を受けて断っている。理由としては自営業のキツさを手伝い等をやって身を持って知っていたし、もう何年も故郷を離れている俺に居場所はなさそうな気がしたからだ。 そんなこんなでまあまあ平和にやっていたのだが、転機は突如訪れる。父親が倒れたのだ。命に別状はなかったが、別の職は辞めざるを得なくなり、また自営業を再び始めることもできな