前頁 目次 次頁 日本の民謡 曲目解説<福島県> あ~し ---------------------------------------------------------------------- 「会津大津絵」(福島) 《頃は戊辰の 中の秋 二十三日の 朝まだき 戸の口原の 戦いに やむなく引き上げ 滝沢の 飯盛山に よじ登り 刀を杖に 見下ろせば 炎の中に 鶴ケ城 早これまでと 十九人 潔く 血潮に染みし もみじ葉の 赤き心を 偲ぶれば 袖に露散る 白虎隊》 「松坂」「会津めでた」と共に、祝いの席で正座して唄われる。「大津絵」は、 滋賀県の宿場・大津の遊廓で、遊び客相手の女たちがお座敷唄として唄ってい た。旅人や遊芸人たちの手で全国各地に広められ、江戸時代末期には、はやり うたとして全国で唄われた。会津人の剛直さと真面目さは、この唄を三味線唄 から尺八伴奏の謡のような唄に仕上げ、加え