前半部分はこちら ところで、この10年間で、勤め先の収入は11%増加したが、消費支出は2%しか増加していない。家計は、相応に“節約”をしていることがうかがえる。一方で、非消費支出に関しては所得税や住民税などの直接税が11%増加し、厚生年金保険や健康保険の保険料などの社会保険料に至っては30%も増加している。節約をしているにもかかわらず、暮らし向きがよくなったと感じる人が少ないのは、直接税や社会保険料などの非消費支出の増加があるからである。 さて、家計調査には保険料も集計されている。同じ10年間でみると、1世帯当たりの保険料は、2009年に2.8万円であったものが、2019年には2.4万円に下がっていることがわかる。率にすれば13%の下落である。世代別で下落率を計算してみると、保険料の低下が著しいのはシニア世代であることがわかる。特に下落率が大きいのは60歳代後半である。おそらく、かつて加入