大学の演習などの授業で日本近代史を学ぶ場合に一通り必要なノウハウについて記します(特に明治史中心に記載します)。 はじめに ハンドブックとして中村隆英, 伊藤隆 編 『近代日本研究入門』増補版(東京大学出版会、1983)の「研究の手引き」は一通り知っておくと良いです。 ただし、1990年代以降、研究の基礎となる史料の公開状況は大きく変わりました。インターネットが普及してから色々な検索データベースやデジタルアーカイブが利用可能となったからです。長らく、上記研究入門を更新するような包括的な研究ハンドブックが無かったのですが、松沢裕作・高嶋修一『日本近・現代史研究入門』(岩波書店、2022)が出ました。 双方を比較しながら、学問の発展や視点の変化、共通の基盤となっている部分を学んでおくことが重要です。 1.基本事項や事件について調べる場合 辞書・事典として、大部ですが国史大辞典編集委員会『国史大