昔、絵画のような詩を書こうと思っていた。 漢字は表意文字。 読んでもよくわからないけど、 全体を眺めてもらうことで なにかしらの表現をしようと思った。 それは私が高校1~2年、 14行詩(ソネット)などを作っていた頃のこと。 そんなことを考えている時、こんな詩に出会った。 「たんぽぽ」 川崎 洋 たんぽぽが たくさん飛んでいく ひとつひとつ みんな名前があるんだ おーい たぽんぽ おーい ぽぽんた おーい ぽんたぽ おーい ぽたぽん 川に落ちるな かなりの衝撃。 何も言葉が出てこない。 「こりゃすごいや」と180度方向転換して ひらがなだけの短詩にチャレンジをはじめた。 今度は、表現の方法論にばかりこだわり その中身はおざなりになっていたのだと 一発で気づかせてくれた詩に出会った。 方法論なんていらないんだと。 感じたこと、言いたいことを ただ言葉にすればいいんだと。 「私の前にある 鍋と