新しい商品を世に送り出す際に、既存商品との違いを明確に見出すにはさまざまな工夫が必要となる。特にこれまで「高価なブランド」と見られている商品群でお値打ちなのが登場する場合、あるいはそのようなイメージが昔から浸透している場合、「高いから近づきがたいよね」と見向きもしない層へのアピールはひと際苦労をする。大抵の場合、そのような人たちこそ、潜在的な優良顧客になりうるにも関わらず、だ。今回紹介するのは、そのような「壁」を目の前にしたオランダのメルセデスベンツが展開した、人間の心理を巧みに突いたプロモーションである(I believe in Advertising)。