電気新聞の報道によると、石炭を燃料に発電所から二酸化炭素(CO2)を回収しやすい技術として、欧州を中心に「ケミカルループ燃焼」への関心が高まっているそうだ。金属の酸化・還元反応による炎を伴わない燃焼で、かつて日本が研究を先導したが衰退。最近になり欧米で実証プラントが建設されるなど、あらためて脚光を浴びつつある。発電所のCO2回収・貯留(CCS)が義務化されれば経済性も改善するため、将来の新設における選択肢の一つとして動向が注目される。金属の化学反応での発熱反応を使えば確かに炎なしで高温を作り出すことは理屈として可能だとは思う。 ケミカルループ燃焼では金属酸化物を石炭や天然ガスといった燃料で還元し、CO2と水を発生させる。還元された金属は空気を吹き込んで再び酸化し、繰り返し(ループ)反応させるというもの。反応からは最大1千度超の熱が生じ、タービンを回して発電できると説明されている。日本で20