労働需給が極めて逼迫している中で、相対的に労働環境の厳しい物流の現場では、特に人手の確保が喫緊の課題となっている。 物流の現場における深刻な人手不足は、物流業務に関わるコスト(以下、「物流コスト」という)を押し上げている。物流コストの上昇に対し、企業は有効なコスト削減策を講じなければならない。その際には、物流施設の立地や役割等を見直すことも必要となる。 本稿では、物流施設開発および投資に大きな影響を及ぼす物流コストの現状と今後の方向性について考察する。 1|物流コストの内訳 物流コストは、大きく「輸送費」、「荷役費」(流通加工、ピッキング、仕分などを行う費用)、「保管費」、「包装費」等で構成される。 日本ロジスティクスシステム協会「物流コスト実態調査(2016年度)」によれば、物流コストに占める割合は、「輸送費」(56.0%)が最も大きく、次いで「保管費」(17.2%)、「荷役費」(15.
![シンクタンクならニッセイ基礎研究所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/119d2bfd80a3d182fc2960ddc5a77e29656cd797/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nli-research.co.jp%2Ffiles%2Ftopics%2F58571_ext_03_0.jpg)