南国鹿児島の静かな田舎町を、こわもての男たちが乗った街宣カーが走り回る。「核廃棄物を持ち込もうとしている」「町民を騙した」として大音量のスピーカーから流されていたのは、特定人物への攻撃。得体の知れない街宣車に「極悪人」とまで罵られたのは、今月11日告示、16日投開票の南大隅町長選挙に立候補を表明していた同町の元商工会長・肥後隆志氏だった。 肥後氏は、核廃棄物(核ゴミ)町内持ち込み反対運動のリーダー。核ゴミ誘致と最も縁遠い肥後氏へのいわれなき攻撃は告示後も続けられ、選挙結果に大きな影響を与えたと見られている。得をしたのは、核ゴミ関係者からのデリヘル接待が明らかとなった現職の森田俊彦町長。大差で3選を果たしたが、森田陣営が裏で「肥後は放射性廃棄物を持ち込む」などと怪しげな街宣車とまったく同じ内容の「選挙運動」をしていたことが、HUNTERの取材で分かっている。 汚れた選挙戦、現職の厚い壁に挑み