インドネシア、レンベ海峡に浮かぶ浮標(ブイ)の付近に産み付けた卵を守るアオリイカのつがい。(PHOTOGRAPH BY RYAN ROSSOTTO, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 世界各地のサンゴ礁に生息しているアオリイカに、父親としての養育行動の証拠が初めて見つかった。イカは一般に子煩悩な親ではないと考えられており、特にオスは、交尾をした後すぐにどこかへ行ってしまう傾向にある。だからこそ、今回の発見は科学者たちに驚きをもって受け止められている。 アオリイカのオスはメスをめぐって激しく争う。メスと交尾(交接)を終えたオスは通常、近くに留まって、他のオスがそのメスと交わるのを防ごうとする。メスは受精卵を産む準備が整うと、サンゴの隙間を探して何度も産卵する。オスは、メスが産卵を終えた後もしばらくはメスを守り続け、その後、おそらくは他のメスを探すために去っていく。(参考記事