アリの集団が長い期間存続するためには常に働いているアリだけでなく働かないアリもいる必要がある—。こうした興味深い研究を北海道大学大学院農学研究院の長谷川英祐(はせがわ えいすけ)准教授らがこのほどまとめた。アリの世界では、働き者のアリが疲れて働けなくなると怠け者のアリが「交代要員」として働き始めるという。論文は英科学誌に掲載された。 長谷川准教授ら研究グループによると、アリやハチなどの「社会性昆虫」の集団には、ほとんど働かない個体が常に2?3割存在する。こうした「怠け者」は短期的な生産効率を下げるため、短期効率を求める自然界になぜ存在するのかが大きな謎だった。 長谷川准教授らによると、アリには「反応閾(いき)値」と呼ばれる「仕事への腰の軽さ」に個体差がある。閾値が低いアリはすぐ働き始めるのでいつでも働いているが、閾値が高いアリはなかなか働かない。しかし働き者のアリが疲れて休んでいると、例え
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