実は福島第2原発も、「紙一重」で第1原発と同じ事態に陥るところだった――。第1原発では、炉心溶融や原子炉建屋の水素爆発に至り、今も多くの周辺住民らが避難生活を余儀なくされている。 いったい何が第2原発と第1原発とを分けたのか。事故発生当時からの責任者が報道陣にあらためて説明した。 「初公開」で増田所長が説明 福島県の楢葉町と富岡町にまたがる福島第2原発が2012年2月8日、震災後初めて報道陣に公開された。第1原発から南に約12キロ離れている。当時から現場で指揮を続けている増田尚宏所長は、記者らに「福島第1原発ほど状態がひどくならなかったが、紙一重だったと思う」と振り返った。 事故発生当時の第2原発と第1原発の状況の違いは、次のようなものだった。 震災発生は2011年3月11日15時前。第1原発ではほどなく、津波被害のため「全電源喪失」が確認された。夜には原子力災害緊急事態の宣言が出され、半