大学を卒業したあたりから、自由にできる金が増え、反面人間関係が希薄になったことで、人を誘う手間を惜しんでひとりで映画をみることが多くなっていたのですが、この2年ぐらいは劇場で映画を観るときには人を誘うように心がけています。何もかも嫌になった日、授業や仕事をさぼってひとりで観にいき心を奪われた映画もとても大切だけれど、誰かと観る映画にも、昔の友人に電話をしてみるぐらいの手間をかけるだけの価値はあると思うのです。中学高校の頃、休みのたびに少ない小遣いを握りしめて映画館に向かったのは、鑑賞後に喫茶店やマクドナルドで、映画の話や映画とは全然関係ない話をするのが楽しかったから。両親に連れていってもらった『ジュラシックパーク』も細かい内容はほとんど覚えてないけれど、普段態度は大きいが実は気が小さい父が真っ暗な劇場でひときわ大きな声をあげて驚いたことは鮮明に覚えている。 「今年誰と観た映画が一番記憶に残