「アニメスタイル」編集長・小黒祐一郎 抽象化されたアニメのキャラクターでありながら「本当にいる」ように感じられる。それはキャラクターの理想のかたちのひとつである。『涼宮ハルヒの憂鬱』の、あのハルヒダンスが圧倒的な支持を得たのは「よく動いているから」ではなく、よく動いていることによって、キャラクターが「本当にいる」と感じられたためであるはずだ。 『てさぐれ!部活もの』は昨年放映された深夜アニメである。3DCGで作られたシリーズで、4人の女子高生が主人公。会話中心で構成されており、話題となるのが「部活のあるあるネタ」だ。登場人物が、自分がアニメのキャラクターであることを自覚しているという、メタフィクション的な面白さがあり、日常系萌(も)えアニメのように見せかけているが、実は日常系萌えアニメをパロディー化した作品である。 前述したキャラクターの理想について考えるうえで、『てさぐれ!-』は非常に重