全日本柔道連盟は、園田隆二女子代表監督らによる選手への暴力行為を認め、謝罪した。戒告処分の園田監督は、代表監督に留任する。選手との信頼関係が崩壊したまま、次の五輪を本当に目指せるのか。処分は甘いといわざるを得ない。 昨年12月に日本オリンピック委員会(JOC)に届いた告発文は、ロンドン五輪代表を含む選手15人の連名によるもので、監督らによる「平手打ちや竹刀でたたく、足で蹴る」などの暴力行為を訴えていた。 国の名誉を背負って五輪などで勝利を目指す代表選手の強化と、学校教育における体罰問題を同列に論じるわけにはいかない。それでも園田監督らの行為は、とても「愛のムチ」とはいえない。 現実にスポーツの世界で、指導者による熱血指導で立ち直った、好成績に結びついたとの成功談を聞くことはある。 「愛のムチ」の存在まで全否定することはない。ただしそれは、師弟間に信頼関係があり、指導者の側にあふれる愛情があ