「過去、女性は素晴らしい能力があっても、それが”幸せな結婚”に結び付くものでなければ女として生きるのに余計なものであるとして、発揮する機会を奪われてきた。女性の生き方として賞揚されてきたのは、生まれて初めて出会った異性と恋に落ち、一生の愛を誓い合って生きること。しかし今やロマンチックラブのベールは剥がれ、一方で女性が能力を発揮しそれを正しく活用することが、社会の発展にも寄与するということになった」 このようなジェンダー観を、この作品も共有しているように見える。 その上でこの物語を要約すると、 「女は自立や自己解放を追い求めるべきだが、それはこの社会では孤立と紙一重。かといって男はもう当てにならない。なぜなら女がこれまで分断されていたのは、男の作った社会規範のせい(女の特殊な能力を封印させるのもその一つ)だから。頼れるのは同じ女だけ。シスターフッド万歳! ただし男社会での出世を望まない男なら