結婚=出産の等式 政府による「少子化対策」のニュースを見聞きする度、女として生きる尊厳に刃を突き刺される。そんな気分になるという比喩ではない。実際に容赦なく刺されている。 その刃物は一瞬で命を奪う、鋭く真新しいナイフではなく、長年に渡って物置に放置されたまま錆びて歯の欠けた鉈だ。切り口の鈍さゆえ致命傷には至らない程度に皮膚をかえって醜くえぐり、かき回し、いっそのこと今すぐ殺してくれと懇願したくなるほどの痛みと不細工な傷跡を残す。 少子化は国にとって悩ましい問題だろうが、その一因として結婚率の低下や独身女性の増加が挙げられるあたりが気に入らない。いつまでこの国は結婚と出産をイコールの等式で結ぶつもりか。子供を求めない夫婦や求めたとしても結婚したくない男女はいくらでもいる。私自身は非婚・非出産を望む。「血縁を結び、子を産む」行為を無条件には受け入れ難い者にとって、それが常識、大前提とばかりに愛