東日本大震災で壊滅的な被害を受けた三陸鉄道は、どのように運行再開に取り組んできたのだろうか。NTT勉強会で三陸鉄道代表取締役社長、望月正彦氏が語った当時の模様からは、BCPの本質をうかがうことができる。 「鉄道が廃止されて栄えた町はない」ーーそんな信念の元で、東日本大震災後、全線復旧に取り組んできた三陸鉄道。壊滅的な被害を受けた同社は、どのように運行再開に取り組んできたのだろうか。16年間続いてきたNTT勉強会で、三陸鉄道代表取締役社長、望月正彦氏が語った当時の模様は、企業におけるBCPの取り組みの好事例となるのではないか。2015年2月27日に行われた「三陸鉄道のBCPの取り組み」と題する講演の内容をレポートする。 災害対策本部は1両のディーゼルカー 三陸鉄道は、岩手県の陸中海岸に総延長約100キロメートルの路線を持つ、第三セクター方式の鉄道会社だ。宮古〜久慈駅間の北リアス線と盛〜釜石駅