断筆を経て、4年ぶりに短編小説集『悲惨すぎる家なき子の死』を刊行した中原昌也。残酷なスプラッターシーンや無意味な引用の合間に、「小説なんて書きたくない」という著者らしき人間のグチが延々と続く特殊な作風に、かつては芥川賞の選考会で「0票」を記録したことも。そんな彼が、なぜ文学の世界に戻ってきたのか? ―執筆再開、待っていました! 「いや、再開したつもりはないんですけどね……。お金がなくて、しょうがなく書いただけで。まあ、書いたからって、そんな大金もらえるわけでもないですけど」 ―じゃあ、小説が書きたくないという気持ちは一切変わっていない? 「はい(断言)。この本を書いてるときも、『これは小説じゃないから』って自分をだましながら書いてた感じです。こんなもの書かないほうが、よっぽど精神衛生上はいいんですよ」 ―はは……(苦笑)。なぜそんなに書くことが嫌なんですか? 「まず、人に文字で