重い歯周病で失われた歯茎などを、患者自らの皮下脂肪から抽出した幹細胞を移植して再生する世界初の臨床研究を、大阪大歯学部付属病院(大阪府吹田市)の村上伸也教授らのグループが始める。 動物実験では再生効果が確認されており、先月下旬、厚生労働省のヒト幹細胞に関する審査委員会に研究計画を提出した。認められれば年内にも実施し、安全性や有効性を確かめる。 歯周病は成人の約8割がかかり、歯を失う最大の原因になっている。感染による炎症で、歯茎と、その下の歯槽骨やセメント質などの歯周組織が破壊され、口臭の原因にもなる。 臨床研究は、中等症から重症の患者12人が対象。局所麻酔をした患者の腹部から皮下脂肪を30~10cc採り、歯周組織の元になる幹細胞を抽出する。3週間、培養した後、歯槽骨が欠けた部分に移植する。