日本マクドナルドを立て直し、6月にベネッセホールディングス(HD)の会長兼社長に転じたばかりの原田泳幸氏が、いきなり窮地に立たされている。今月明らかになったベネッセHDの顧客情報流出事件は、日を追うごとに流出件数が増え、泥沼の様相を見せ始めている。リスク管理に定評のあった「プロ経営者」も、今回の局面では“迷走”が目立ち、マクドナルドを復活に導いた“原田マジック”は影を潜めている。 「原田さんらしくない。違和感を覚える」−。日本マクドナルド時代の原田氏を知る外食業界関係者はこう首をかしげる。 原田氏は、流出を公表した9日の会見で、金銭的な謝罪を考えていないことを強調するとともに、流出情報を利用した他の通信教育会社の倫理を問う発言を繰り返した。 謝罪会見の場で他を非難する−。企業広報に詳しい関係者によると、こうした行為は責任転嫁と受け取られやすく、やってはならないことのひとつとされる。
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