印刷 悠香(福岡県)の「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧商品で小麦由来成分によるアレルギー症状が多発している問題で、消費者庁が昨年10月、厚生労働省から被害発生を伝えられていたにもかかわらず、見過ごしていたことがわかった。事態の把握は7カ月後の今年5月、注意喚起は6月にずれ込み、被害を拡大させた恐れがある。 省庁や地方自治体は、消費者庁に対し、商品やサービス側に原因がある事故を通知するよう消費者安全法で義務づけられている。事故情報を1カ所に集めて分析、公表することで、被害のいち早い発見や拡大を防ぐ狙いがある。 同庁によると、厚労省からこの問題の通知があったのは昨年10月15日。事故情報の担当者に届いた文書には、小麦由来成分を含んだせっけんを使っていた30代女性がパンを食べてテニスを始めた15分後、目や顔、手が腫れ、血圧低下や腹痛、下痢などの症状が出て入院した――など三つの症例が記され