【山吉健太郎】2日発表された秋の褒章で、国内外で人気のバーチャルアイドル「初音ミク」の生みの親に藍綬褒章が贈られる。札幌市中央区のソフトウエア会社「クリプトン・フューチャー・メディア」代表取締役の伊藤博之さん(48)だ。 「初音ミク」とは同社が開発し、世界に名を知られる歌声合成ソフトで、日本文化を海外に発信する「クールジャパン」に貢献したことが評価された。伊藤さんは「光栄だけど、僕らだけの力じゃない。インターネットで活躍する数え切れないほど多くのクリエーターとの総体で、初音ミクという『イベント』がつくられているんです」と話す。 標茶町出身で、高校時代にバンドでエレキギターを担当するなど音楽好きだった。卒業後、北海道大工学部で事務職をしながら北海学園大経済学部で学び、コンピューターに出会った。身の回りの様々な音をコンピューターに取り込んで曲を作るようになり、1995年にクリプトン社を設立して