場末の居酒屋で飲んでる。隣は50代はとうに超えてると思われるお姉さんと、しわくちゃなお爺さんのペア。熱燗を2人でつついてる。もう片方は、80kgくらいの油っぽいおじさん。常連なのか店員のこれまた小太りなオッさんと仲良さげに話してる。 俺はといえば、ドブ水みたいなハイボールをすすり、塩を振りすぎててしょっぱい、焼き過ぎのカチカチのカシラをつまみながら、楽しかった毎日を思い出している。 嫁さんが娘を連れて出て行ったのは、ホワイトデーのちょっと前。ハンコを押した離婚届けと結婚指輪を残して、まあ、ドラマみたいになんにも無くなっていた。吐きそうな年度内案件を会社に2日泊まって着替えを取りに帰った時だった。電話は不通。実家へかけても俺だと解るとスグに切られた。先週末嫁の実家に行ってみたけど、門前払いだった。 なんだったんだろう。結婚してたことは夢だったのかな。浮気もしてない。暴力も振るってない。口座番