高さ92cm、幅50cm、厚さ22cm、重さ75kg。この巨大な写本は、「ギガス写本」と呼ばれており、現存する中世の写本としては最大のものである。 13世紀初め、ボヘミア(現在のチェコ)のベネディクト会の修道院で作られたと見られているが、中には悪魔の大きなイラストがあり、その製作にまつわる伝説から「悪魔の聖書」 とも呼ばれている。 修道僧が堕天使ルシファーに祈り、悪魔の手を借りる 中世期に伝えられていた話によると、この写本を書いたのは修道僧としての誓いを破り監禁された修道僧だという。 そこでの厳しい刑罰に耐えるため、修道院を永遠に称え、全ての人類の知識を集めるべく、一晩で本を写本することを誓った。 しかし真夜中ごろになって誓いを守れそうにないことがわかった。彼は神ではなく堕天使ルシファーに語りかけた。 どうか自身の魂と引き換えにこの本を完成させてほしいと。この願いを受け、悪魔は写本を完成さ