強制送還手続き中にガーナ人男性=当時(45)=が死亡したのは、東京入国管理局の職員が体を押さえ付けるなどの暴行を加えたためだとして、遺族が国に計約1億3600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であり、小林久起裁判長は約500万円の賠償を命じた。 小林裁判長は「男性はタオルで猿ぐつわをされ、座った状態で膝に顔が近づくほど深く前かがみにされたため窒息死した」と認定。「入管職員の制圧行為は必要性、相当性を超えた違法なものだった」と判断した。 一方、強制送還手続き中に男性が暴れたなどと指摘し、「男性が過剰で違法な制圧行為を誘発した側面は否定できない」と述べ、5割を過失相殺するなどして賠償額を算定した。 男性の妻(52)は判決後に記者会見し、「入管職員の違法性が認められ、心から感謝している」と話した。