ゴマ相場が高騰している大きな原因は中国にある。日本は国内の消費量の多くを輸入でまかなっている。 中国はインドに次ぐゴマの生産地であり、以前は日本も中国のゴマを大量に輸入していた。しかし経済成長に伴う富裕層の増加で、ゴマの需要が拡大。一大生産地でありながら、2013年の輸入量は44万トンと世界最大の輸入国となっている。中国以外でも、中東やヨーロッパなどでは高い栄養価が注目されて需要が拡大している。 一方、ゴマは収穫がほとんど手作業で手間がかかるため、生産をやめて他の作物を栽培する生産者が増えていた。需要の拡大と単価の上昇で、今後はゴマ生産者が増える可能性はあるが、それがすぐに生産量の増加につながるわけではない。 価格転嫁が十分にできず 日本特有の事情もある。世界最大の生産地であるインドのゴマは、残留農薬濃度が日本の基準に合わないことが多く、輸入量を増やしにくい。さらに、円安が追い打ちをかけ、