最近、とある教育関係者(以下、先生)とお話をする機会がありました。そこで熱弁されたのが、 「日本の化学教育が危ない」 というお話でした。 一体何が起こっているんです? 事の発端*1は、某有名予備校の講師が書いたという高校化学の参考書*2。お借りしてパラパラめくってみたところ、予備校の参考書らしく、高校で学ぶ化学の重要次項についてページの隅から隅までびっしりと文字で埋め尽くされていました*3。「まあ普通の参考書ですよね…?」と僕が口を開きかけたところ、その方はやや激しい口調で、「その付箋のついているところを見てくれ」と一言。指定された部分を見ると、酢酸の酸解離定数 Ka に関する部分でした。丁寧に化学反応式も記載されていましたが、その式の中に見慣れた矢印が…。 僕「あれ、最近の高校生って有機電子論*4を習うんですか?」 先生「まあそうなんだが…その矢印、おかしくないか?」 ※画像はイメージで