大阪市が職員に入れ墨の有無を確認した調査に答えず、戒告処分を受けたり配置転換をさせられたりした男性が「不当だ」として起こした訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は訴えを認めて処分を取り消し、大阪市に対して安田さんに110万円を支払うよう命じた。 訴えていたのは、大阪市交通局のバス運転手・安田匡(ただす)さん(56)。判決によると、市は2012年5月、児童福祉施設の職員が子どもに入れ墨を見せた問題の発覚を受け、すべての職員を対象に記名式の調査を実施。同8月、「プライバシーの侵害だ」と拒んだ安田さんを戒告処分とした。安田さんが処分の取り消しを求めた訴訟を起こした後、市は内勤に配置転換した。 安田さんは配置転換でも提訴したため、中垣内裁判長はこの日、処分と配置転換をめぐる二つの訴訟について判決を言い渡した。(太田航)