栃木県益子(ましこ)町の陶芸家、大和(やまと)知子さん(62)が、低レベル放射性廃棄物を収納するドラム缶を模した陶器の湯飲み茶わんを販売している。「原発が、核のごみを生み出すことを忘れないで」と訴えようと一年前に製作したが、これまで売れたのはたった十五個。受け入れ先がない現実の核のごみ問題を象徴するかのようで、大和さんは脱原発への思いを新たにしている。 (石井紀代美) 大和さんは宮城県出身で、四十年以上前に益子町で陶芸を始めた。チェルノブイリ原発事故で原発の危険性に関心を持ち始め、青森県六ケ所村の核燃料サイクル関連施設で座り込みをしたことも。東京電力福島第一原発事故後、宇都宮市での脱原発デモに参加する一方、芸術家として「自分のやり方で表現しないといけない」と感じるようになった。
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