海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」が3月25日に就役した。だが、全通甲板を持って多数のヘリコプターの運用が可能で、艦砲、対艦ミサイル、対空ミサイルを持っていない事実上のヘリ空母(航空母艦)、あるいは揚陸艦などを兼ねた多目的空母と諸外国では称される艦を護衛艦=駆逐艦と称することに問題はないか。 われわれ日本人は呼称を変えると、あたかも本質まで変わるかのように思い込む性癖がある。戦時中は「全滅」を「玉砕」、「退却」を「転進」と呼び変え、戦後は「敗戦」を「終戦」、自衛隊の前身である警察予備隊やその後の保安隊の「戦車」を「特車」と呼び変えてきた。 近年では「売春」を「援助交際」と呼び変えてきた。これを不思議とも思わないが、外国にはまったく通じない屁理屈でしかない。 筆者は、ヘリ空母や多目的空母の導入自体には賛成だが、このような納税者を謀(たばか)るようなやり方には断固反対だ。 自衛隊には2種類の戦闘