※この記事は2014年07月24日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:佐渡島 庸平 なんて悲しいマンガなのだろう。 なんて切ないマンガなのだろう。 20年ぶりに土田世紀の『編集王』を読み直した。昔は熱いマンガだと思っていた。熱い生き様の男を、ハイテンションで描いたマンガだと。 土田世紀という男の生き様と合わせて読むと、とても切なくなった。 土田世紀は、2012年4月に43歳という若さで亡くなった。 アルコールから抜け出せない生活で、アルコールのせいで死んだ。晩年は金銭的余裕もなく、出版社から献本された本を中古書店に売り、それでお酒を飲むこともあったと聞いている。 『編集王』の中には、マンボ好塚というアルコール中毒の漫画家が出てくる。そして、そのマンボ好塚は、アルコール中毒のせいで人間関係を失い、死んでいく。20代の土田世紀は、どんな気