今年はルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」が誕生して150周年となる。1世紀半もの長い間、キャロルの書いたアリスの物語は映画、絵画、バレエにいたるまで、数多くの作品に影響を与えてきた。しかし、この作品が人間の” 脳” に関する理解を描いていることはあまり知られていない。 記憶、言語、意識など、我々が脳の不思議の国の地図を作成する技術を手に入れるよりもずっと前に、キャロルは遊び心に溢れた思考実験によってその輪郭を描き出していたのだ。 「継続する自己は存在するのか、あるいは過去の物事を思い出し未来を予測する仕組みなど、この作品では多くの概念が思索されています。科学者がこれまで解き明かした認識に関して、多くのことを示唆しています」と語るのはカリフォルニア大学バークレー校のアリソン・ゴプニック女史だ。 1. 不思議の国のアリス症候群 この画像を大きなサイズで見る 「私を飲んで」、「ええ、頂