一匹の子ギツネの物語をはじめよう。栄養失調状態で英国コーンウォール州、ニューキーの水溜りにびしょびしょで横たわっていた子ギツネが、親切な旅行者によって救助された。 すぐに近くの動物病院に運ばれたが、尻尾がなくなっていた。おそらく捕食動物によって食いちぎられたのだろう。その後看護婦たちによって、フォレスト・スタンプと名づけられた。 この病院の獣医がゲイリー・ザミット牧場に連絡をし、保護してもらうこととなった。牧場主であるゲイリーは大の狐好きであり、また自然保護活動も熱心に行っていることで名を知られていた。 発見された当時、フォレストは生死の境をさまよっていた。このくらい小さなキツネの容態は急変することも珍しくなく、24時間看護のもとにおかれていた。 ゲイリーはこれまで何度も、傷ついたキツネを保護し、時機を見て野性に帰していた。ところが今回、フォレストのリハビリに取り組んだのはゲイリーだけでは