佐世保での女子高生による同級生殺害事件は、犯人とされる少女の父親の自殺という衝撃的な展開となった。この事件が起きてから嫌な予感がしていたのだが、この展開は、私が12年間つきあったあの事件とそっくりだ。1989年に日本中を震撼させた連続幼女殺害事件の宮崎勤死刑囚(既に執行)だ。 幼女猥褻事件と一緒にするなというツッコミが入りそうだが、実は宮崎死刑囚の事件は決して単純な猥褻事件ではない。精神鑑定結果が鑑定医によって幾つにも分かれるなど難解な事件なので、裁判所は単純な猥褻事件に収斂させてしまったのだが、その裁判所が描いたストーリーでは理解できない要素が多すぎる。私は宮崎死刑囚とは12年間つきあい、彼の著作を2冊出した。今まで関わった凶悪事件の中で、最も考えさせられた事件だし、処刑の翌朝には彼の母親から「長い間お世話になりました」という電話がかかってきたほど宮崎死刑囚とは深く関わった。 宮崎死刑囚