スポーツの試合などでよく見る「ハイタッチ」を、見ず知らずの人と交わす動きが広がり始めている。 中心は若者たち。東日本大震災がもたらした不安感のなか、「人との絆を確かめ合いたい」という思いがあるようだ。 2月中旬、鹿児島市の繁華街、天文館に「Let’s Hi Touch」などと書かれたベスト姿の若い女性ら約20人が立ち、道行く人と次々にハイタッチした。戸惑って避ける人もいたが、声をかけ続けた同市の会社員女性(25)は「笑顔でタッチしてもらえると、病みつきになる」と楽しそうだった。 市内の人材派遣会社員の女性(38)が知人の女性らに呼びかけ、昨年10月から始めた。毎月3回、天文館やJR鹿児島中央駅などで朝夕の時間帯に活動する。参加者の大半は20~30歳代。最初は約10人だったが、口コミやインターネットを通じて徐々に増え、多い時には約50人に上る。「『自分たちに何ができるだろう』と考えていた時、