気が乗らなかったが用事もあるし是非是非と執拗に誘われたしで足を運んだパーティー、もやもやした気分は会場のドアを開けた瞬間に溢れ出てきた大音量のGReeeeNではっきりと後悔に変わった。 知り合い主催の起業パーティー。集まったのはガラがあまりよろしくない二十代の男性と派手な女性、約三十人。いいところもあった。ムスコの立身に感極まった御母堂のほうれい線を流れる涙。会場のいたるところで交わされるハグ。ウィース!というノリのいい歓声。けれどもパーティーの主役が語るビジョンがそれら希少な美点のすべてを台無しにしていた。主催者はスピーチで今回の起業についてこう語りだした。 「大好きな町だけで、大好きな友達だけと…大好きなことだけを…」冒頭からおかしい。壁に映し出される「3D」の文字。「大好きなこの街、この街でしか作り出せないプロダクト。それを近日開設予定の公式ブログで世界に発信していく。私たちは湘南主