では、なぜ税収が落ちているかと言えば、1つは、1998年度、99年度に法人税率を37.5%から30%に引き下げるとともに、その後も日本の産業競争力強化を狙って、実質的に法人税率引き下げに等しい総額型の研究開発費の租税特別措置を導入したことです。これにより、実質的に減税の恩恵を享受している企業が多いのです。 もう1つは、所得税について、累次にわたる減税を行ってきました。税収中立型以上の減税が行われた結果が反映しているのであって、仮にこれらの減税が行われていなければ、税収は消費税率アップ分だけ増えたはずです。また、地方への3兆円の所得税の税源委譲も国の税収減に影響している点も考慮すべきでしょう。 さらに言えば、前回までに触れましたが、消費税率を3%から5%に引き上げた1997年以降に税収が落ち込んだことの要因は、この年の7月のアジア通貨危機や10月から実施した社会保険料の引き上げ、11月の山一
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