労働組合が経営者に要求を提示し、春闘が本格化している。業績好調な大企業を中心に、ベースアップ(ベア)や一時金の積み増しで応じる姿勢が連日報じられている。 4月には消費税増税が待ち構え、デフレ脱却に向けた取り組みを政府や日銀が積極的に取り組む今、企業の賃上げに関心が集まっている。安倍晋三首相は経済界に対して直々に賃上げを要請し、経団連はベア容認の姿勢を示した。 ただ、大企業の賃上げの動きだけを見ていると本質を見誤る。国内企業の99%、従業員にして7割超を占める中小企業にまで賃上げが波及するかが焦点だからだ。日経ビジネスは2月24日号の特集記事「賃上げ余力格付け 500社」において、大企業だけでなく中小企業への賃上げ浸透力を調査した(詳細は日経ビジネス2月24日号)。 モノづくり中小企業が集積する東京都大田区、群馬県太田市、大阪府東大阪市、愛知県岡崎市の製造業を中心にヒアリングを実施。回答を得