はじめての解剖実習。 白い半透明なビニールにつつまれて、遺体が各テーブルの上に置かれている。 あー、これが…と、そのときはまだ平気だった。 しかしよく見ると中に白く干からびたような足の先がみえる。 うっ、と気分が悪くなった。 ビニールの覆いのチャックはあけられないな・・・と思った。 みんなが席について、教授が軽く説明をした。 うちの大学ではC大とは違いセレモニーなどはなくいきなり始めるらしい。 今日がオリエンテーションだけだと思っていた私にとって、二重の驚きだった。 黙祷の際には混乱せずにはいられなかった。 初めの数秒は無心で黙祷していたのだが、考え始めてしまうとお願いしますだとか、ありがとうございますだとか、すみませんだとか、さまざまな感情が渦巻いてくる。 結局は大切に勉強させていただきますと「彼」に誓い、それから再び無心になろうと努力した。 さて、解剖がはじまる。 Aがあっさりとチャッ