サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、ドイツが6大会ぶりの優勝を果たした。前回優勝した1990年は西ドイツの時代。それから四半世紀近くたち、ドイツ社会の変化を取り込んできた代表チームが、前回と見違えるようなサッカーでドイツ統一後初めてW杯を制した。 この日の決勝の先発メンバーのうち、クローゼはポーランドからの移民で、エジルはトルコ、ボアテングはガーナにルーツを持つ。ケガで直前に先発から外れたケディラはチュニジア系だ。エジルとボアテングは今大会で全7試合に先発し、チームの主軸を担い、大会を支えた。 多くの移民やその子どもたちが代表選手に名を連ねるようになった背景には、2000年以降の選手育成の改革がある。改革の一環で、各クラブは移民の子どもたちを積極的に受け入れるようになった。例えば、決勝点を挙げたゲッツェを生み出したドイツ1部ドルトムントの育成組織は15%以上がトルコ系やアフリカ